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子育て情報誌知育ismを事業譲渡したワケ

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今年2019年の2月頃に、弊社でやっていた出版事業を事業譲渡しました。

雑誌の名は「子育て情報誌 知育ism」。
名古屋市内で約180の保育園・幼稚園で約2万部を手渡しで配布される子育て情報誌。

第1号を出版してから気付くと3年の月日が・・あっという間でした。

 

ヨコシマな気持ちから始まる出版業

会社を立ち上げて、2年目の浅い時期でした。
名古屋市内に60以上ある子育て支援センターの核となるキッズステーションさんで、子育てと住まいの関係でセミナーをしたときに、名古屋市の関係部署と繋がり話を聞いたことがきっかけでした。
行政発行の子育て関連の情報誌を発行していることを知り、バックボーンが行政であることの消費者への影響力や配布されるマーケットのポテンシャルを「すごい!」と感じたんです。

それから半年をかけて、関係部署の裏取りに始まり、各保育園・幼稚園への配布のお願いまわり、出版にあたっての子育て業界の方たちとの関係づくりなど、走り回っていたのを覚えています。

単に、出版/編集事業をやりたい!という想いからではなく、住宅・建築業界のマーケットとマッチするので、その市場で媒体を持つことへの魅力を感じて動いた・・というのが本音でした。笑

いわゆるヨコシマな気持ちです。
市場へ露出をする為の媒体を持ち、それを生かして住宅業界の仕事をするというビジョンが立っていたということです。
ただ、そこからヨコシマな気持ちが消える状況にどんどんと追い込まれます。笑

 

子育て業界の難しさと不思議

当時の私の肩書きは「子育て情報誌の編集長」です。
編集長にもいろいろありますが、基本は、雑誌に掲載するスポンサー広告やタイアップ記事、フォーカス記事など、ページ構成から内容まで決める権限を持つ人・・といったところでしょうか。

なので、自分自身がこれはオモシロいと思った記事を掲載し、そこに話題性を集めて読者の気持ちを掴みつつ、広告スポンサーへも還元する、といった流れを常に考えています。

 

その中で、気付いた重大なことは「正解のない業界だ」ということ。
元々、不動産会社に11年務めていて、宅地建物取引士やファイナンシャルプランナーの資格をとって仕事をしていたので、何か問題が起きると「法」を基準に〇×を導き出すことが出来ていたように思えます。

それに比べて、子育て業界には「正解」がない。
国家資格などの法の基準となるものがないので、いわゆる個人の子育て論や人生論の打ち出しとなるので、子育てひとつをとっても十人十色な考えで溢れかえってしまい・・どれにフォーカスして良いものか。。と悩むことがすごくあったことを覚えています。

答えがないからこそ、大事なことは「過程」ですよね。
当事者にしかわからないいきさつがあって、そこから生まれる「気づき」が子育てのモチベーションだとも思いますし。
だから、子育てってこうなんだ!って断定的にいう方よりも、ベースは持ちつつも手探りで柔軟に物事を捉えようとする子育ての先生に、僕は心を打たれることが多かったように思います。

 

事業を譲るときに考えたこと

考えました。大事に大事に、大変な想いをして続けてきた子育て情報誌。
気付いたら三年も経っているので、募る思いもありましたし。
ホントに手放して良いのかなとか思いましたが、他に優先してやりたいことがあったので「後悔してはいけない。これは卒業という節目なんだ」という気持ちで、譲渡先を探しはじめました。

事業譲渡を考えている・・と幾つかの企業さまには話して、数十万~数百万の値で買い取って頂ける話を幾つか頂きました。
ただ、子育て業界に熱い想いがあるわけではなく、あくまで事業として考えているような相手ばかりでしたので「割り切って考えていいんだろうか・・」と悶々としていたのを覚えています。

そんな中でたまたま、、ほんとにたまたま再会したのが、ジョシゴトリンクの代表の相田さん。
もともと軽く面識があった方で、ひょんなきっかけでメッセンジャーで連絡をもらったのがきっかけで。
色々と話しているうちに「これは運命だな!」と感じたので、そこからはとんとんと話が進みました。

気付けば、事業譲渡でウチがお金をもらうどころか、スポンサーから預かっているお金まで差し出して「相田ちゃんならきっともっと面白くなる!」と、ビジネスライクとは程遠くww、気持ちよく潔く引き継いだ形になっていました。

 

事業をやるって、こういうことなんだなぁと改めて思いました。
やっぱりヒトの想いや情熱に反応して動くべきだと。
マネタイズも大事なことだけど、それはあとから何とかしよう!という強い信念からでした。

これからは、その子育て情報誌の監修役として見守ることで、関係を続けていくことになりましたので、また更なる「気づき」を頂きつつ、進めていけたらなと思います。

ヨコシマな気持ちから始めた子育て情報誌。今では人生観を見直す意味ある事業です。
どこかで目にすることがありましたら、「子育て情報誌知育ism」を宜しくお願いいたします。

重松